スポーツライフさいたま2025
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特集2肩72集特そもそも、柔軟性が低いといわれる状態には、2種類あります。1つ目は関節の可動域が狭くなっていること。もう1スポーツトレーナーが運動能力を高めるために参考にしている普段から体を外遊びなどでまんべんなく動かしていれば自然に可動域子どもの体力を高めたい場合は、まず「競技力向上のピラミッド」につは、筋肉の疲労などにより血流が悪化し、筋肉そのものがかたくなってしまうことです。「腰が張っている」「首・肩コリがある」という現象がこれに当たります。この筋疲労に関しては、運動後の静的ストレッチやマッサージ、入浴などで改善します。今回は1つ目の「関節の可動域の重要性」について解説します。のが「競技力向上のピラミッド」(図1)です。一番下に位置している「Position」(=関節の可動性と安定性)が一番重要になります。安定性についてはまたの機会に説明しますが、可動性については鍵となる4つの関節が存在し、それらは肩・背骨(胸椎)・股関節・足首を指します(図2)。肩関節と股関節は球関節と呼ばれる関節で、様々な方向に動かすことができるのが特徴です。ボールを投げたり、跳んだり走ったりするときに使われます。胸椎は前屈したり、背中を反らしたりするだけではなく、体を捻る時に股関節と共に動きますので、ボールを打ったり蹴ったりするときに使われます。足首は歩行で使われることから、生活する上では欠かせない関節と言えます。このように、鍵となる4つの関節は重要な役割があり、それぞれが連動することでより体がスムーズに動かすことができます。が保たれます。しかし、普段体を動かす機会が少ないと関節可動域がせまくなってしまい、動きがぎこちなくなります。これが「他の子より動けない」という子どもの運動やスポーツに対する苦手意識に繋がり、普段の活動量の減少を招く原因にもなってしまうかもしれません。則って子どもの4つの関節の可動域を知る(図3)ことが必要となります。子どもをチェックする場合、特別な測定器具は必要なく、保護者でも簡単に調べる方法がありますので、ご家庭で試してみてください。2点満点での評価ですので、全てにおいて2点であることが重要です。自身の健康度を調べるという意味でも保護者も一緒にやると良いでしょう。このチェックは、定期的に実施するとよいでしょう。なぜなら、子どもの体の現状を把握することができるからです。成長するにしたがって、関節の可動域は一日で変わってしまうことはよくあることです。例えば運動・スポーツをやったあとにストレッチなどの整理体操を怠った場合や、ゲームのやり過ぎで同じ姿勢をずっとキープしてしまったなど、コンディション不良で通常2点だったものが1点に下がっていることも起こり得ます。数値が全て2点であったとしても安心せず、保護者として普段から子どもの状態を知ることは大切なことなのです。背骨(胸椎)股関節足首スキル技術パワー筋力・スピードムーブメント動作パターン・機能的動作ポジション関節の可動性&安定性図1 「競技力向上のピラミッド」概念図図2 可動性の4つの関節なぜ運動能力を高めるために関節の可動性が求められるのでしょうか?家庭でもできる4つの関節の可動域のチェック方法について教えてください子どもの体力向上には公園での遊びが効果大 ポイントは4つの関節の柔軟性!

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