私たちに必要な水をつくっているのはダム私は埼玉県さいたま市に住んでいます。私の家の水道に届く水はどこでどうやってつくられ、運ばれてくるのでしょう。まず、埼玉県民約七三〇万人、さいたま市民約一四〇万人、全員に必要な量の水を用意しなければなりません。昔は水道水も、井戸水、つまり地下水を使っていたそうですが、今から五、六〇年ほど前、急に社会が発展して人口が増え、地下水を大量にくみ上げたら地盤沈下が起こってしまいました。それで今は、荒川や利根川の河川の水をきれいにして水道水や工業用水にしています。水は、私たちに台所やお風呂、トイレなどで使われた後、下水を流れて東京湾に流れついて海の水になります。海の上で生まれた水蒸気が雲をつくり、雲が雨を降らせるという一生を送ります。この「水循環」の一部で、山に降る雨をためているのがダムです。わが家に来る水道水の水がめの一つ、「浦山ダム」を取材しました。浦山ダムは、堤防の天辺の長さ三七二㍍、高さは一五六㍍。全国六位の高さで、「重力式コンクリートダム」の中では全国二位という、とても大きいダムです。大きくは三種類に分けられます。一つは、浦山ダムのような「重力式コンクリートダム」。横から見ると直角三角形をしたコンクリートのダムで、その重さで貯水池の水圧を支えています。二つ目は「アーチ式コンクリートダム」。ダムを支える岩盤が強固でないとならないので、古いダムに多いようです。三つ目は「ロックフィルダム」。断面は三角形に岩や砂利を積み上げ、その中にある水を通さない壁を支えます。石積みなので、洪水の放流口はダムの両脇どちらかについていることが多いようです。〈ダムの型式〉コンクリート12重力式コンクリートダムダムの重さで貯水池の水圧を支える。アーチ式コンクリートダムダムの両側や底の岩盤で貯水池の水圧を支える。ロックフィルダム三角形に砂や砂利、岩石を積み上げ、中の水を通さない壁(コア)を支える。
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