①洪水から人を守る②いつも川に水が流れるようにする③水道の水を使えるようにする④水力エネルギーで電気をつくるこの目的を果たすため、浦山ダムのような重力式コンクリートダムは、重い巨大なコンクリートのかたまりの底辺を大きくして安定させ、大量の水を貯めても倒れないようにしています。それでも貯水池の水圧は巨大なので、気温の変化や貯水池の水位の違いなどで〝たわみ〟が出るそうです。このコンクリートのたわみが異常になると、ダムの安全性に問題が生じるので、たわみが異常なものでないかどうか、小さなおもりを付けたピアノ線の「プラムライン」という装置で常に測定しています。私は、あんなに大きい構造物なのに、そのたわみを測定するのに繊細なピアノ線が使われていることに驚きました。またダムの安全をこのようにして守っていることも知ることができました。今回の取材で、私の家に来る水は、水循環の一部を巨大なコンクリートのダムで貯めてつくられていること、そのダムは長い年月をかけてたくさんの人によって建設されたこと、ダムの安全も常にそこで働く人たちによって保たれていることを知りました。〈浦山ダムの四つの働き〉これがピアノ線。130mも上からつり下がっています。全体はこんなに長い!プラムライン浦山ダムでただいま取材中見えていたピアノ線はここだけ13
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