水は流れている、つながっている1
17/36

川の水を浄水場できれいにして、水道の水にするゃくすいせい私の家に届く水道水は、さいたま市桜区にある「大久保浄水場」できれいにされていることが分かりました。大久保浄水場の敷地面積は日本一広く、浄水力も全国的にも大きいほうで、一日あたりの水道水の最大給水能力は一三〇万立方㍍、これは全国四位。一㍑のペットボトル十三億本分にあたります。現在は高度浄水処理施設も建設中です。浦山ダムなどで貯められた水は、荒川を流れてきて、秋ヶ瀬取水堰で堰せき止められ、堰の少し上流にある大久保浄水場の取水口から取り込まれます。(ほかにも「武蔵水路」から来る利根川のダム群でつくる水が半分以上含まれるそうです。)取り込まれた水は、「着ち水井」で塩素などの薬品で消毒され〈前塩素〉、「急速かくはん池」で凝集剤を入れて勢いよくかき混ぜると、水のにごりがフロックという小さなかたまりになります。このフロックを「沈でん池」でしずめてにごりを取り除き、「急速ろか池」の前後でもう一度塩素などの薬品で消毒し〈中塩素・後塩素〉、きれいになった水は「浄水池」に貯められて、私たちの家の水道まで送られます。これらの操作は、コンピューターや計器がある中央管理室で集中的に管理していて、前塩素や後塩素の量は、季節や条件によって多くしたり少なくしたり調整しているそうです。水質検査室では、浄水前の原水や浄水などの水質の具合をみる色見本が並んでいて、その色の具合を見て薬品量を考えます。これは職人技のようだな、と思いました。ものづくりでは不良品が出たら取り除けば良いけれど、水はそういうわけにはいかなくて、失敗ができない仕事だとおっしゃっていたのが印象的でした。15水道の水ができるまで

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る