水は流れている、つながっている2
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いくいいいいんそ大雨の時、水が襲おってくると言っても、川が溢れて住宅地などが浸水する氾濫もあれば、急な大雨で排水できず住宅地などが浸水する氾濫もあります。それで水害の原因の違いで「外が水す氾濫」「内な水す氾濫」に分けています。《外水氾濫》―越水や破堤による災害「洪水」の意味は、大雨や長雨で川に大量の水が集まり、川の水位が高くなることを言います。それが堤防の高さを超えると溢れたり、それが元になって堤防が壊れたりして、大量の水が家や工場や農地に押し寄せます。それが外水氾濫です。とくに人口や資し産さが多く集まった所での外水氾濫は大きな被害を及ぼすので、そういう危険な水系を「一級水系」、その水系の河川を「一級河川」に指定して、国や県が管理しています。埼玉の川は一級水系の利根川・荒川水系にあるので、市町村で管理する小さな川以外はみんな一級河川です。一級河川と聞くとなんだか偉そうに聞こえますが、いざという時危険な川になるので、いつも注意していないといけない川という意味のようです。《内水氾濫》―排水不良で浸水災害ある程度の雨なら雨水は側溝を流れて、マンホールの下にある下水道を通って川に排水するのですが、短時間に大雨が降ると排水が間に合わないことがあり、そういう時は浸水被害が発生します。最近は、地球規模の「気候変動」で温暖化が進み、日本でも各地で「線状降水帯」が発生して猛烈な雨が降ったり、突然空を黒い雲が覆って、街に急激に大雨が降る「ゲリラ豪雨」が増えました。すると、遠い東京湾が排水先の新河岸川上流で浸水被害が起きたり、雨水を排水するマンホールから水が噴き出して、街中の浸水被害も増えました。ということは、内水氾濫の大きな原因は街中や農地に急に大雨が降ることですが、大雨が急すぎてそこに溜まる水を排水できないのも大きな原因です。それで、自分の土地に降る雨はできるだけ自分の所で貯めて、時間差で排水すれば浸水被害が減る、という考えが出てきたのだろうと思います。大雨が続く時、風呂の水をすぐに流さないこと、というのもその考え方だと思います。埼玉県では、一万平方メートル以上の商業施設などを作る時は、雨水を一時貯める「雨水流出抑よ制せ施設」の設置を義務づけています。川越市では、敷地面積が五〇〇平方メートル以上の開発では貯留設備を作ることになっているそうです。■外水氾濫と内水氾濫13外水氾濫のイメージ内水氾濫のイメージ

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