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複数名でメールを受信する場合、POPとIMAPのどちらにするか
代表メールアドレスがあって複数のPCで受信する場合、メールソフトウェアの設定はPOPとIMAPのどちらにすればいいのか、というお問い合わせをいただくことがあります。
設定さえちゃんとすればどちらでもいいのですが「PCはPOPで60日後削除、スマートフォンはIMAP」をお勧めしています。
POPとIMAPの違い
基本的な考え方として、POPはメールサーバーに届いたメールをPCにダウンロードして管理するのに対し、IMAPはメールサーバーに届いたメールをそのままメールサーバー内で管理します。
POPとIMAPのどちらが優れているか、というのは考えてもしかたがありません。どちらも長所/短所があり、短所を克服するために様々な機能が用意されています。そのため、メールの利用者からすると違いがよくわからず、混乱するようです。
メールが消える・・・
複数のPCで一つのメールアドレス、例えば代表宛のメールアドレスを管理しているときに、POPとIMAPの設定が噛み合わないと、だいたい以下のような流れでメールが消えたように見えます。
- 代表宛にメールが届く
- A(IMAPを利用)がメールを閲覧(メールはサーバーに残る)
- B(POPを利用)がメールを閲覧(メールはPCにダウンロードされ、サーバーに残っていたメールはBのメールソフトウェアによって自動削除される)
- Aはメールが消えたように見える
個人であっても、AがスマートフォンでBがPCというのはよくあります。A、BともPOPなら同じような状況になり得ます。全部IMAPならこうはなりません。
この流れはメールソフトウェアを起動するタイミング次第でカオスをもたらします。
「Bさんが会社を休んでいる日はメールがちゃんと閲覧できるんだよね・・・」
「お客さまからのメールが私にはときどきしか届かない・・・」
POPのメール削除のタイミングを変更
POPのメールソフトウェアが、受信後にサーバーのメールを削除するから消えたようにみえます。
以下はメールソフトウェア「Thunderbird」の設定画面の一部です。PCにメールをダウンロードしたあと、サーバーのメールは60日間削除しないようにしています。
こうすると、以下のような流れに変わります。
- 代表宛にメールが届く
- A(IMAPを利用)がメールを閲覧(メールはサーバーに残る)
- B(POPを利用)がメールを閲覧(メールはPCにダウンロードされ、サーバーに残っていたメールはBのメールソフトウェアによって60日以上前のメールだけ自動削除され、60日未満のメールは残る)
- Aはメールを閲覧できる!
残す日数はお好みでいいのですが、一つの用件のメールのやりとりが長期に渡る場合は長めにしたほうがいいでしょう。
この場合、60日経つとAはメールを閲覧できなくなります。
運用からみるPOPとIMAPの違い
POPはPCにメールをダウンロードするので、そのうちサーバーのメールを削除します。つまりメールボックスがいっぱいになることはあまりありません。
一方、IMAPはサーバーに古いメールが残り続けるのでメールボックスがいっぱいになってしまう可能性がPOPよりも高くなります。
POPはPCにメールをダウンロードするので、PCが故障するとメールのデータがなくなってしまうかもしれません。IMAPはPCが壊れても、メールのデータはサーバーにあるので、別のPCでメールを利用できます。
例えば代表宛に届いたメールに返信する場合。
全員がIMAPを利用していると、返信前にメールを「返信中フォルダ」などに移動すれば間違って複数名が返信するようなことはありません。
全員がPOPを利用していると、すでに誰かが返信しているのに返信してしまうかもしれません。
社屋のネットワークが不通になるとIMAPもPOPもメールの送信はできませんが、POPはすでに受信したメールを閲覧できます。IMAPはすでに受信したメールであっても閲覧できないことがあります。
メールの運用を見直しましょう
複数のPCで一つのメールを運用するときはある程度の取り決めをし、メールの転送機能やウェブメールの利用を検討すると良いでしょう。
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