品切:河越の姫 源平争乱と女たちの物語
時代の流れに翻弄されつつ、力強く生き抜こうとした女たちの運命
著者 | 長谷川美智子(著) |
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価格 | 1,047円(品切中) |
発行 | 2008年11月28日 |
版型 | B6判 |
頁数 | 235 |
ISBN | 9784904006139 |
商品紹介
戦乱の嵐吹きすさぶ中、義経の正室として東国河越荘から都へ輿入れした百合野。時代の流れに翻弄されつつ、力強く生き抜こうとした女たちの運命。
江戸時代、見沼干拓に揺れた激動の時代を高い志を持って生き抜いた少女波留を描いた『見沼の波留』の続編『隅田川から船が来た』を併せて収録。今よみがえる見沼の歴史。
あとがき より
源義経の愛妾静は人のよく知るところですが、その影に隠れ、その存在さえ顧みられることのなかった正室(正妻)がいたことはほどんど知られていません。
彼女は河越重頼の娘で、頼朝の命により京へ送られました。政略結婚の道具でしかなかった十六歳の少女は、その後どのような運命をたどったのでしょう。過酷な戦乱の中、薄幸の一生を終えたであろう彼女に「河越殿」という堂々たる呼び名をつけ、知る人もいないその実名を「百合野」とし、ささやかな、温かい光を当ててあげようと思ってこの小説を書きました。
「見沼干拓物語」も大規模干拓工事の影でひっそりと消えた名もない女たちを書きました。一人ひとりがかけがえのない生命をもった人間であることは小説でしか描けないと思ったことが、執筆の動機です。
この作品を読んで下さった方が、河越の姫、そして見沼周辺の村人たちを愛しく思って下さればいいなと思います。
著者 長谷川美智子 略歴
東京教育大学(現 筑波大学)文学部卒業。佛教大学大学院修士課程日本文学科修了。