音声コード
音声コードとは?
音声コードとは、印刷物に掲載された文字情報を約2cm四方の二次元コードに変換したもので、身体障害者福祉法によって給付対象になっている専用の読み取り装置で読み取れるコードです。携帯電話・スマートフォンや専用の読み取り装置を使用することで、記録された情報を音声で得ることができます。
この音声コードには漢字を含め最長約1000文字を格納でき、これまで文書からの情報入手が困難であった視覚障がい者の方をはじめ、高齢者など、誰にでもやさしい情報を提供することが可能となります。
そのため、音声で情報を発信できるツールの一つとして、ユニバーサルデザインの観点からも大変注目されています。
また、障害者差別解消法の改正に伴い、音声コードの需要は増えています。
当社は視覚障がい者の方への情報支援団体様を訪問し、視覚障がい者の方にとって分かりやすい音声コードの編集方法とは何なのか、実際に視覚障がいの方より直接ご意見・アドバイスをいただきました。
当社へ音声コードの作成をご依頼いただければ「視覚障がい者の方の為に編集された音声コード」を作成いたします。
音声コードは2種類あります
- Uni-Voice
携帯電話やスマートフォン・タブレットに対応した音声コード(専用の読み取り装置でも読み込むことが可能ですが、読み上げる音声については違いが出ることがあります) - SPコード
専用の読み取り装置のみ対応の音声コード
当社ではどちらでも対応しております。
Uni-Voiceコードを専用の読み取り装置で読み取ることはできますが、SPコードをUni-Voiceで読み取ることはできません。そのため当社では、読み取りデバイスが広範に及ぶUni-Voiceを推奨しています。
※ Uni-Voice の音声読み上げは、スマートフォン・タブレット端末に搭載されている音声合成ソフトによって読み上げ方に一部違いが出ることがあります。当社ではiPhoneでの読み上げを前提とした編集作業をさせていただいております。
※Uni-Voiceは専用の読み取り装置でも読み取れる仕様となっておりますが、専用の読み取り装置は既に耐用年数をオーバーしている等、機械に起因する理由により読み取りの不具合が発生しているケースもありますのでご注意ください。
重要!お客様、デザイナー様
ユニボイスは原寸でご使用願います。拡大或いは縮小すると使用できなくなります。
コードの位置を表わすために
音声コードがある位置の横には、半円の切り欠きがあります。これは、視覚障がい者の方が触覚によりコードの位置を把握できるようにするためです。
この切り欠きは、音声コードを片面のみに添付する場合は半円を1つ、両面に添付する場合は半円を2つ、用紙の端に入れます。ただし、音声コードの内容に「両面に音声コードがある」ことを記載する場合は半円1つの切り欠きだけでかまいません。
Q&A
- Uni-Voice:特定非営利活動法人 日本視覚障がい情報普及支援協会 Q&Aコーナー
障がい者(児)日常生活用具の給付種目です
音声コードを読み取る専用装置は、「視覚障がい者用活字文書読上げ装置」として平成15年度から障がい者自立支援法の障がい者(児)日常生活用具の給付種目となっており、給付対象者は約1割負担で購入することができます。
詳細は、各市町村の障害福祉担当課にご相談ください。
スマートフォンアプリ
下記のアプリでは、Uni-Voiceに対応している音声コードを読み取ることができます。スマートフォン等にアプリをインストールすれば読み上げが可能です。
晴眼者用アプリ「Uni-Voice」
アプリを起動し、音声コードから5cmほど離れてかざすと読み上げが始まります。一度読み込んだ音声コードの情報は保存でき、いつでも再生できます。
アプリは以下のリンクから無料でダウンロードいただけます。
視覚障がい者用アプリ「Uni-Voice Blind」
iPhoneのVoice-Over機能やスマートフォンのTalkback機能と連動した操作が可能です。Voice Overについてはこちらをご覧ください。
アプリは以下のリンクから無料でダウンロードいただけます。
印刷事例
埼玉県立歴史と民俗の博物館さま「2021年度イベントガイド」
1年を通して開催されるイベントを紹介するパンフレットです。音声コードには開館時間や交通情報、観覧料などの情報を入れています。
埼玉県障害者交流センターさま「わいわい広場」
毎月発行の広報誌です。文章が長い場合は1コード内に収まるように編集し、実機で正しく読んでいるかの確認もしています。
和光市さま「男女共同参画わこうプラン」
「第2次和光市行動計画 男女共同参画わこうプラン―男女共同参画社会の実現をめざして―」は、平成17年4月1日に施行された「和光市男女共同参画推進条例」に基づいて「男女共同参画わこうプラン」を見直し、平成18年3月に制作されたものです。ページレイアウト及びイラスト作成、全ページの音声コード作成を担当しました。
越谷市さま「越谷市バリアフリーマップ(愛称:おでかけマップ)」
おでかけマップでは、障がい者や高齢者、乳幼児をお連れの方などが安心してまちに外出し、行動範囲を拡大できるよう、公共施設等のバリアフリー情報(出入口の構造・エレベーター・点字ブロック・トイレ)を紹介しています。本誌および別冊のトイレマップのページレイアウト及びイラスト作成、全ページの音声コード作成を担当しました。
世田谷区視力障害者福祉協会さま「創立60周年文集」
世田谷区視力障害者福祉協会は2022年に創立60周年を迎えられた視覚障害者団体です。端的な情報を伝えるものではなく、思いを伝える文集に音声コードをご利用いただきました。全ページの紙面データ、音声コードの作成を担当しました。
戸田市さま「障害者福祉のしおり 令和4年度版」
障害者向け冊子として、利用者の利便性向上のため音声コードが掲載されています。画像の「サービス編」のほか、「手帳・手当・医療編」の全ページの紙面データ、音声コードの作成、印刷・製本を担当しました。
音声コード作成をご依頼いただく場合の注意点
以下の事項を事前にご確認ください。音声コードの作成を想定している印刷物の見本をいただけると、より具体的なご提案ができます。PDFをメールでお送りください。
音声コードのみ納品も可能です。ページ数や納期をお知らせ下さい。
1. Uni-Voice 、SPコードのどちらのコードを作成するか
携帯電話やスマートフォンに対応する場合は「Uni-Voice」、専用機のみで読む場合は「SPコード」となります。
Uni-VoiceとSPコードでは作成方法が異なるため、ご指定が間違っていた場合は再作成が必要となり追加料金が発生してしまいますのでご注意ください。
※Uni-Voiceは専用の読み取り装置でも読み取れる仕様となっておりますが、専用の読み取り装置は既に耐用年数をオーバーしている等、機械に起因する理由により読み取りの不具合が発生しているケースもありますのでご注意ください。また、読み上げる音声については違いが出ることがあります。
2. 作成をするコードの個数
1個のコードに格納できる文字数には制約があります(最大約1,000文字)。1ページの文字数によってはページ数以上のコードが必要になることもございます。
3. 印刷物に音声コードを配置する場所があるかどうか
コードをページ内に追加するためには、ページ端から縦横40mmのスペースが必要になります。配置する場所が無い場合、紙面の構成を見直す必要があります。
4. 原稿データの仕様
音声コード作成はMicrosoft Wordでの作業となりますので、Microsoft Wordで作成した文字情報データをご提供ください。他の形式でのデータでご提供の場合は別途ご相談ください。
留意事項
印刷物の内容と音声コードの内容を全く同じにする必要はありません。視覚障がい者の方にとって分かりやすい読み上げ方法などがございますので、音声コード作成経験豊富な当社にご相談ください。
- 表やグラフなどの情報がある場合、編集方針によって原稿データに必要な情報が変わります。
- Microsoft Wordにて、箇条書きの文頭に自動で作成される段落番号や行頭文字は、認識されません
- 印刷用データがあると文字データが編集しやすくなります
- 視覚障がい者の方は、ページの表面の右下にコードがあると認識しています。裏面は切り欠きのすぐそばにコードをつけます。コードや切り欠きを左右上下につけてしまうと視覚障がい者の方は冊子の上下、表裏が分からなくなってしまいます。そのため、やむを得ずコードが1ページに2つになってしまった場合は説明の音声をつけ、切り欠きは冊子の下側にのみつけます
- 当社では制作工程において必ず実機を使って音声の確認を行っていますが、Uni-Voiceを利用されている視覚障がい者の方の多くがiPhoneを利用しているため、Uni-Voiceを選択された場合はiPhoneで音声確認をさせていただきます
音声コードマニュアル
音声コードの概要や作成の注意点をPDFにまとめましたので、ご利用ください。